大手暗号資産(仮想通貨)取引所のBitgetは3日、日本居住者向けサービスを段階的に終了すると発表した。同社は同日付で日本居住者からの新規登録受付を停止し、既存利用者の口座についても順次制限を進める方針を示した。日本国内の規制環境が厳格化する中での対応とされている。
発表の経緯と規制対応
Bitgetは公式通知で、今回の措置が「日本の規制へのコンプライアンスを維持するための取り組みの一環」であると説明した。同社は日本居住者からの新規登録を8月3日付で停止したことを明らかにした。
海外の仮想通貨取引所が日本向けサービスを縮小・停止する動きは近年広がっており、日本の規制当局が利用者の居住地確認や取引所側の管理体制強化を求める傾向が強まっていることが背景にあるとみられる。
今回のBitgetの発表も、こうした業界全体の流れの一部と位置づけられる。
対象となるのは国籍ではなく居住地に基づく判定であり、日本国内に居住していると認定された利用者が制限の対象になる点も特徴とされている。
段階的な制限スケジュール
Bitgetの通知によると、制限は複数の段階に分けて実施される。まず8月3日をもって日本居住者からの新規登録受付が終了した。
続いて11月1日午前11時(日本時間)から、既存の日本居住者アカウントは新規の建玉や追加取引ができない「クローズオンリー」モードに切り替わるとされている。既存の保有資産や決済関連の操作は一定範囲で可能とみられるが、新規の取引開始は制限される見通しである。
さらに12月31日以降、未決済のまま残っているポジションについては強制決済が行われる方針が示された。以下は主な日程をまとめたものである。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月3日 | 日本居住者の新規登録停止 |
| 2026年11月1日11時 | クローズオンリーモードへ移行 |
| 2026年12月31日以降 | 残存ポジションの強制決済 |
対象サービスの範囲
報道によれば、今回の制限は現物取引や先物取引にとどまらず、Bitgetが提供する幅広いサービスに及ぶとされている。具体的には現物、先物、P2P取引、コンバート、イールド系サービス、カード機能、コピートレード、取引ボットなどが対象に含まれるという。
これにより、日本居住者と判定された利用者は、単純な売買だけでなく資産運用や決済関連の機能全般で影響を受ける可能性がある。特にカード機能やコピートレードなど日常的に利用されるサービスも制限対象に含まれる点は、利用者にとって影響の大きい部分といえる。
Bitget側は、居住地の再確認や本人確認手続きを通じて、実際には日本居住者に該当しない利用者については制限対象から除外できる可能性があるとしている。
利用者への影響と対応
今回の発表を受け、既にBitgetでポジションを保有している利用者や、カード・コピートレードなどのサービスを継続利用している利用者からは懸念の声が上がっているとされる。
制限開始から強制決済までの期間が限られていることも、対応を急ぐ必要がある要因として指摘されている。
利用者が制限を回避するためには、居住地に関する確認手続きを完了させる必要があるとみられ、KYC(本人確認)や居住性の証明がこれまで以上に重視される流れが強まっている。
すでに日本を離れて居住している利用者であっても、手続きを行わなければ日本居住者として扱われる可能性がある点には注意が必要とされる。
Bitgetは今後、具体的な手続き方法や問い合わせ窓口について追加の案内を行うとみられるが、詳細なガイドラインの公表時期は明らかにされていない。
今後の見通しと市場への影響
今回のBitgetの発表は、日本の規制環境の厳格化に対応する海外取引所の一例として位置づけられる。今後、日本居住者向けサービスを縮小する動きが他の海外取引所にも広がる可能性があり、業界全体でコンプライアンス対応の重要性が一段と高まることが見込まれる。
短期的には、Bitgetを利用していた日本居住者の一部が、日本国内で正式に認可を受けた取引所や他の海外事業者へ移行する動きが出る可能性がある。
資産の移管やポジションの整理を進める利用者が増えることも想定される。
中長期的には、海外取引所側が日本向けサービスの提供体制をどのように見直すかが注目される。日本の規制当局による対応や、他社の追随の有無が、今後の仮想通貨市場における事業者と利用者双方の行動に影響を与える可能性がある。