ストラテジーは3日から8月9日にかけて、1,690 BTCを売却し、その全額をSTRC優先株の買戻しに充てたことを開示した。売却総額は1億860万ドルで、平均売却価格は64,262ドルだった。
同社はこの売却によって得た全額を、変動利率型の永久優先株であるSTRCの買戻しに充当した。買戻し株数は1,152,020株で、売却額と同じ1億860万ドルが投じられた。
MSTR株売却とドル準備金
ストラテジーは同じ期間に、MSTR株6.59百万株を売却し、6億5,310万ドルを調達したことも明らかにした。このうち6億5,000万ドルを自社のドル準備金に組み入れた結果、同社のドル準備金残高は46億5,000万ドルに達した。
仮想通貨売却によるSTRC買戻しと、株式売却によるドル準備金の積み増しが同時期に行われたことから、Strategyが複数の資金調達手段を組み合わせて財務基盤を強化している状況がうかがえる。
ドル準備金の増加は、優先株の配当支払いに対する備えを厚くする狙いがあるとみられる。
保有ビットコインの現状
今回の売却後もストラテジーはなお大量の仮想通貨を保有している。同社の保有量は840,447BTCで、平均取得価格は1BTCあたり75,385ドル、取得総額は633億6,000万ドルに達する。
売却分は保有量全体からみればわずかであり、今回の取引が同社の仮想通貨保有方針そのものを転換するものではないとみられる。
ストラテジーはこれまで一貫してビットコインの積極的な蓄積を進めてきた経緯があり、今回の売却も財務戦略上の一時的な調整とみる向きが多い。
STRC支援と資本構造の狙い
今回の買戻しは、ストラテジーがSTRCの取引価格を意図した水準に近づけようとする動きの一環とみられる。STRCは変動利率型の永久優先株であり、経営陣は同株の価格安定に注力してきたとされる。
同社は優先株の配当義務、債務関連の資金需要、そしてビットコイン保有という複数の要素を同時に管理している。
今回の仮想通貨売却は、こうした資本構造全体を維持するための限定的な流動性確保策であり、仮想通貨戦略からの全面的な転換ではないとの見方が示されている。
なお、今回の売却は7月末から8月初旬にかけて行われた前回の売却に続くもので、同様の資金調達手法が繰り返し用いられている点も特徴的だ。
市場への影響と今後の展望
ストラテジーは世界最大級の企業による仮想通貨保有者の一社であり、比較的小規模な売却であっても市場の注目を集めやすい。今回の取引がビットコイン相場やMSTR関連の投資戦略に対する見方にどう影響するかは、今後の値動きを含めて注視される。
また、ドル準備金の増加によって、当面はさらなる仮想通貨売却への圧力が和らぐ可能性がある一方、STRCの価格動向や優先株の配当負担次第では、同様の売却が再度実施される可能性も否定できない。