モルガンスタンレー傘下のEトレードは17日、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)の現物取引サービスを正式に開始した。

同社はZeroHashとの提携により、顧客が既存の証券口座で直接これらの暗号資産(仮想通貨)を売買・保有できる環境を整えた。

現物取引の概要と利用条件

今回提供が開始されたサービスは、Eトレードのプラットフォーム上でビットコイン、イーサリアム、ソラナの3銘柄を対象とした現物取引だ。

利用者は従来の株式などの金融資産と同一の画面上で、仮想通貨の保有状況を確認することが可能となった。

取引手数料は1回あたり50ベーシスポイント(0.5%)に設定されており、競合する大手証券会社や仮想通貨取引所と比較して競争力のある水準となっている。

現在、顧客はプラットフォーム内での売買および保有が可能だが、外部のウォレット等へ仮想通貨を移動させる送金機能は提供されていない。この送金機能については2026年後半の導入が予定されている。

なお、ZeroHashを通じて保管される資産は、連邦預金保険公社(FDIC)の保険や証券投資家保護公社(SIPC)による保護の対象外となる点には注意が必要だ。

取引手数料とサービス体系

今回のサービス展開における主な仕様は、以下の通りだ。

モルガンスタンレーは、資産管理戦略の構造的な転換として、既存のETFや先物を通じた間接的な投資機会から、直接的な現物保有へと舵を切った。これにより、顧客はより直接的な形で仮想通貨市場へアクセスできるようになった。

項目 内容
対象銘柄 BTC, ETH, SOL
取引手数料 0.5%
保管パートナー ZeroHash
外部送金 2026年後半予定

現在、取引および保管業務はモルガンスタンレーの外部であるZeroHashが担っているが、将来的にはモルガンスタンレー・デジタル・トラストへとサービスを移行する計画が示されている。

この体制変更は、規制下での堅実な運用を重視する同社の姿勢を反映したものといえる。

市場への影響と今後の展望

モルガンスタンレーが運用する約9.3兆ドルの資産規模を考慮すると、今回のサービス開始が仮想通貨市場に与える影響は極めて大きいと分析される。

特にビットコイン、イーサリアム、ソラナの3銘柄が選定されたことは、これらが機関投資家向けの主要な資産クラスとして定着したことを示唆している。

同社はすでにイーサリアムやソラナのETF申請も行っており、規制に準拠した投資手段の拡充を加速させている。

ウォール街の主要金融機関が直接的な取引プラットフォームを提供することで、顧客の資金が専門の仮想通貨取引所から伝統的な証券会社へ流出する可能性も指摘されている。

投資家からの信頼も厚く、同社の株価は過去1年で67%上昇し、52週高値圏で推移している。